【飼育技師が解説】特大スッポンモドキ! 生態・飼育方法・餌・スッポンとの違い・体重測定など

【飼育技師が解説】

特大スッポンモドキ! 生態・飼育方法・餌・スッポンとの違いなど

みなさん、こんにちは

ズータイム園長です。

さあ今回は大きなスッポンモドキのご紹介です。

動画と記事で生態、飼育方法、スッポンとの違いなどを解説していきますね。

まずは動画をご覧いただきたい方はこちらをどうぞ↓

〈スッポンモドキの生態〉

和名:スッポンモドキ(別名:ブタバナガメ)

英名:Pig-nose turtle、Pitted-shelled turtle

学名:Carettochelys insculpta

分布:オーストラリア(ノーザンテリトリー北部)、

パプアニューギニア(ニューギニア島南西部)

☆絶滅危惧種(EN)、ワシントン条約附属書II

☆最大甲長56.3cm(大型化し70-80cmに達することもあるようですが、水族館などの広いスペースで

飼育しなければなかなか大きくならない。)

最大体重22.5キログラム。背甲、腹甲共に甲板がないのも特徴です。

動画では体重測定も行いました。

スッポンモドキ科唯一の現生種である本種はオセアニアにのみ分布していますが、

スッポンモドキ科は白亜紀中期の約一億年前にアジア(ウズベキスタン、日本、モンゴル)に出現しました。

日本では熊本県の約9,000万年前の地層からスッポンモドキ科の構成種とされる化石が発見されている。

なかなか見ることができない、甲長約40cmの特大のスッポンモドキです。

なんと、オーストラリアではこのスッポンモドキ以外のカメはすべて曲頸類なんです‼

カメは大きく分けて、みなさんが良くご存じの潜頸類(せんけいるい)と曲頸類(きょっけいるい)に分けることができます。

ですから、オーストラリア人にカメを描いてとお願いするとほとんどの方は曲頸類を描くらしいです。まさに曲頸大国!

≪スッポンとスッポンモドキの違いは何?≫

和名はスッポンモドキという、

スッポンの偽物のような種名、ちょっとかわいそうですね。

では具体的にどこが違うのでしょうか。

①甲羅の硬さ

スッポンは甲羅がペラペラで手で曲げられるくらい柔らかいのに対して、

スッポンモドキはある程度硬い甲羅です。しかし、甲板がない分、甲板があるカメほど硬くはありません。

②陸上がる頻度

スッポンは陸にあがることはけっこうありますが、スッポンモドキは完全に水棲のカメで産卵期以外は、

陸に上がることはありません。日本国内では2008年に名古屋港水族館が初めて飼育下繁殖に成功しています。

ズータイムチャンネルの動画では、スッポンモドキが陸を歩く貴重な動画もあります。意外と歩く速度が速いのに驚きます。是非ご覧ください。

③足

スッポンモドキは水中で泳ぐための足で、第1-2指に爪があり、第3-5指は長く鰭状になっている。

スッポンは指の間には水かきはあるものの、鰭状(オール)にはなっておらず、陸にあがったり、水中も底を歩くための

足になっています。

鰭脚類のようなオール状の足。とっても泳ぎが得意なカメです。

④目

目の大きさ(顔との比率)が全然違います。

スッポンは非常に小さい目をしていますね。

⑤味

私はカメを食べることに興味はありませんが、

スッポンのほうが美味しいらしいです。

絶滅が危惧されていることからオーストラリアやパプアニューギニアでは国内の流通および輸出が禁止され、

オーストラリアでは原住民が自家消費する分を除いて卵の採集が禁止されていいます。

〈次ページ〉飼育環境、餌について

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