★【ヘビとトカゲの違いを完全解説!】あなたはいくつ知っていますか?
みなさんこんにちは、
ズータイム園長の藤井です。
今回は同じ有隣目の仲間であるヘビとトカゲの違いを徹底比較しながら解説します。
☟ズータイムチャンネルでも番組を作成したので、ぜひご覧ください📖
たくさんの生体(初登場のあの爬虫類も!)や全身骨格標本を活用して解説します。
【ヘビとトカゲの違いを完全解説!】あなたはいくつ知っていますか?
ではヘビとトカゲの違いを記事でも解説していこうと思いますが、
その前にこちらの爬虫類はヘビかトカゲかどちらでしょうか?
四肢がなく、にょろにょろしており、ヘビに見えますよね。
しかし、問題にするくらいなのでこちらはトカゲの仲間です。
種名はヒメアシナシトカゲといういアシナシトカゲ科のトカゲなんです。
分布:ヨーロッパの大部分、小アジア(アナトリア半島)、アフリカ北西部など
全長:約40-50cm
総排出腔の位置からわかりますが、尾は全長の半分ほどもあります。
非常に長寿としても有名で飼育下では50年以上生きた記録があるほどです。
このように、四肢のあるなしでトカゲとヘビを見分けている方が多いと思いますが、
まずその点に関しては、例外もあるということになりましたね。
では具体的にどこに注目すれば、ヘビとトカゲを見分けることができるのでしょうか。
番組ではまずヘビ代表としてボールパイソン、トカゲ代表としてフトアゴヒゲトカゲが登場しました。
それではヘビとトカゲの違いを以下にご紹介していきます☟
違い①:とぐろが巻けるか巻けないか
もちろんヘビがとぐろを巻き、トカゲはヘビのようにはくるくる柔軟に体を曲げることがはできません。
違い②:目蓋の有無
トカゲは目蓋があるため、目を閉じることができる(まばたきができる)のに対して、
ヘビはずっと目を開けた状態ということです。
目蓋がないヘビは目も透明な鱗で覆われてるのです。
下画像の脱皮殻からおわかりいただけると思います☟
しかし、これにも例外がありまして、ヤモリは基本的には夜行性のため、目蓋が必要なく
ありません。しかし、一番ペットとしてメジャーなヒョウモントカゲモドキ(通称:レオパ)は、
夜行性ではなく目蓋があるヤモリなので、目をつぶります。どの分野にも例外がつきものです。
違い③:聴覚(外耳孔の有無)
トカゲには外耳孔(耳の穴)があり、音を聞くことができますが、
ヘビは外耳孔がないため、外見上どこにも耳がありません。
ヘビは地面の振動を頭骨を通じて感知する耳を内部にもっています。
ヘビは目や音に頼らなくても、振動や匂い(舌を出し入れ)、
ピット器官(熱を感知)などで獲物を捕獲できる優れたハンターなんです。
アシナシトカゲはトカゲなので、よーく観察すると外耳孔があります。
違い④:腹の鱗の違い
トカゲは背中側の鱗と腹側の鱗の形状に違いはほとんどありません。
これに対してヘビは、お腹の鱗は大きく横に長い鱗が一列に並んでいます。
これは地面を這うように移動することが多いので、滑りやすく丈夫にできているのです。
触ったらわかるのですが、明らかに腹側の鱗はツルツルしています。
数ナノメートルといいう薄い潤滑油でコーティングされていることがわかっています👏
またすごいことに、木登りも得意とするヘビは、この大きな鱗がひっかり落下するのも防いでいます。
進みやすく、しっかりグリップもできるというすぐれた腹の鱗というわけです。
違い⑤:顎の柔軟性
ヘビとトカゲでは顎の柔軟性が全然違います。
ヘビは大きく開口できるのと、下顎が靭帯で繋がっており柔軟性が非常に高いため、
頭よりも多少大きな獲物も飲み込むことが可能になっています。
タマゴヘビが丸呑みする様子はこちらをご覧ください
一方、トカゲはヘビよりも開口できないのと、下顎は骨で繋がっています。
全身骨格標本で比較すると一目瞭然です。
ヘビの骨について解説した番組はこちらをごらんください
骨にすると下顎が分かれているのがわかります(ボールパイソンの骨格標本)。
フトアゴヒゲトカゲの下顎は繋がっているのが分かります。
違い⑥:食性の違い
ヘビとトカゲでは食性も異なります。
厳密には異なるというよりは、トカゲは多種多様な食性を持ち、
ヘビは完全肉食性ということです。
草食性のトカゲであるグリーンイグアナ。トゲオアガマの仲間もそうですね。
動物性と植物性の両方を好む、フトアゴヒゲトカゲのような雑食性
ミズオオトカゲのようなモニター類は肉食性
まとめ
まとめると以下の表のようになります。
おっと、腹側の鱗の違いが入っておりませんでした🙇
肺の構造の違いも一応いれておきました。
いかがだったでしょうか、ヘビとトカゲは同じ有隣目ですが、
見分けるポイントがたくさんありましたね。
では今回はここまでにしておきます。
またこのブログでお会いしましょう(^^♪