【脱皮とは何?】脱皮の仕組みを徹底解説!ヘビの脱皮の瞬間を捉えた映像📺ガラガラヘビの威嚇音も実際に鳴らしてみます🐍

みなさんこんにちは、

ズータイム園長の藤井(動物教育家)です。

今回のズータイムカレッジは今年の干支であるヘビの脱皮を中心に、両生類・爬虫類の脱皮のメカニズムについて解説していきます📖

脱皮とは何?

どのようなメカニズムで脱皮は起こっているのか?

ヘビの脱皮は想像できるけど、カメの脱皮とは違うのはなぜか?

などなど脱皮の正体が明らかになりますので、一緒に楽しく学んでいきましょう📖

まずはこちらの動画をご覧ください。


ズータイムチャンネルは

主に3本の柱をコンセプトに番組作成に取り組んでいます。

①野生動物観察

野鳥少年ハル(小学校バーダー)と一緒に野鳥の生態やすばらしさを中心にお伝えしています。

一緒に日本中、世界中を旅をするのが楽しみです(^^♪

②適正な飼育方法

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③ズータイムカレッジ

より専門的な知識、哲学などをお伝えしています📖

またより深く学べるメンバー限定動画もあります。

将来動物園、水族館の飼育員になりたい方は必見です。

猛禽類のトレーニング方法も公開しています。


両生類・爬虫類の脱皮のメカニズム

【脱皮とは何?】

ではまず脱皮とは何か?というところから入って行こうと思います。

普段私は全国の教育機関で授業をしたり、動物の生態を学べる講演会を行っています。

その中で、脱皮とは何かと尋ねてみると、大概の方は『成長とともに身体が大きくなり、皮膚が窮屈になって脱皮殻を脱ぐ』

のようなイメージの解答をいただきます。

しかし、これは正解ではございません。

では、超絶わかりやすく脱皮を一言で申しますと、『垢』と同じです。

ということは、古い皮膚と新しい皮膚の入れ替わりでもあるので、

『新陳代謝』とも言えます。

また実際にヘビを飼育されている方なら、お気付きの方も多いと思いますが、

ヘビは大人になっても脱皮をしますし、死ぬまで脱皮をすることから、

成長して身体が大きくなるから、脱皮しるという理論は違うことがわかりますね。

【脱皮のメカニズム】ヘビとトカゲの場合

では脱皮は皮膚でどのようなメカニズムで起こっているのでしょうか?

皮膚は大きく分けて、真皮(しんぴ)表皮(ひょうひ)に分かれています。

表皮は表面の角質層からなる皮膚です。爬虫類の場合は硬い鱗の部分が表皮(角質層)になります。

この角質はケラチンというタンパク質が分泌されることで形成されています。

髪の毛、嘴、爪、鱗など、

動物の体はあらゆる部分がケラチンでできています。

このケラチンが分泌されることで細胞はケラチン層を形成し、皮膚の角質層が作られます。

ヘビやトカゲの場合、ケラチンの分泌に休眠期間があるのです。これがポイントです!

休眠期間があると、

「ケラチンの分泌」→「角質層形成」→「ケラチン分泌の休眠」→「ケラチンの分泌」→「角質層形成」→「ケラチン分泌の休眠」→

というサイクルで表皮(角質層)が形成されています。

休眠があることで、古い皮膚の層と新しい皮膚の層の間にすき間ができるため、

その間の空間からペロンと古い皮膚がむける仕組みです。

またヘビは目も脱皮をします

ヘビには瞼(まぶた)がなく、目も皮膚で覆われているので、

脱皮殻をみたら一目瞭然です。

トカゲの脱皮を見ていきましょう!

フトアゴヒゲトカゲが番組でも登場します。

トカゲの仲間は全身の皮が浮いて細かい断片になって古い皮が剥がれるな部分脱皮が大半です。

アガマやカメレオンやイグアナの仲間がこれに当たります。

☟グリーンイグアナの部分脱皮

しかし、トカゲの仲間にも例外があります。

最もポピュラーなトカゲといえば、あのヤモリです。

そうヒョウモントカゲモドキ、通称レオパです。

レオパなどのヤモリはヘビに近い全身脱皮をします。

ヤモリの脱皮は全身にうっすらと膜を被ったような感じになり、つやもなくなります。

アミューズメント景品にもレオパの脱皮フィギュアがあり、多くの方がレオパの飼育経験があると思いますが、

脱皮直前は全身が白くなります。

その膜の所々に亀裂が入り、脱皮の皮が浮き上がり、それを口を使って引っ張って取り去ります。

脱皮した皮を食べてしまうヤモリもいます。

【脱皮のメカニズム】カメとワニの場合

同じ爬虫類でも、ヘビやトカゲは脱皮することはおわかりいただけたと思いますが、

ワニやカメで脱皮をする話はあまり聞いたことがありませんよね。

いや、カメは脱皮するよ!っていう方はいるかもしれません。

カメは甲羅の角質部分がポロポロとはずれる事があることは経験された方もいるのではないでしょうか。

しかし、ヘビのように全身綺麗に脱皮をする生物タイプとは違います。

いったいどんな違いがあるのでしょうか?

ワニも時折、鱗がぽろっと剥がれる形で脱皮する

この謎にはケラチン分泌の休眠期間の有無が関係しています。

実はワニやカメの場合、ケラチンの分泌は継続的に起きています

つまりケラチン分泌の休眠がないのです。

上画像のように、角質甲板の表面がめくれる形で脱皮する。

継続的にケラチン分泌が起こっているわけですが、

季節によって分泌の量が異なるため、カメの甲羅には年輪のような線(成長線)ができます。


【カエルの脱皮】

私も現在アズマヒキガエルを飼育中ですが、

脱皮殻を食べたり、水中に浮遊している殻を頻繁に観察

することができます。

ぜひ番組でご確認ください。

アズマヒキガエル

アズマヒキガエルの脱皮殻

脱皮中のクランウェルツノガエル


【ガラガラヘビの威嚇音】

ガラガラヘビはカナダ南部からアルゼンチンまで、

南北アメリカ大陸には35種以上のガラガラヘビが生息している猛毒をもつヘビ。

ガラガラヘビは、身の危険を感じると尾の先端を振動させる。

まるでこの中に鈴のように何か入っているかのように感じますが、この中は空洞なんです。

この部位にはケラチン質の中空の節が重なっていて、振動によりカスタネットのような音がする。

これがガラガラ音の正体です。

ぜひ番組で音を聞いてみてくださいね♪

節は赤ちゃんの時は1つしかないため、音を鳴らせません。

脱皮を繰り返しながら、節の数は8-10個まで増やしていきます。

それではいかがだったでしょうか。

今回は脱皮のメカニズムについてお伝えいたしました📖

ではまたこのブログでお会いしましょう(^^)/